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フリーターは、なぜ家を買えたのか?/上

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テーマ:ライター記事


 作家・有川浩さんの小説『フリーター、家を買う。』は、2010年にはアイドルグループ・嵐の二宮和也さんを主人公に迎えドラマ化もされた、ベストセラー小説です。

 原作だけでなくTV版も好評を博したこの物語ですが、「フリーターに家が買えるのか?!」という大方の予想に反し、主人公はまっとうな社会人として再スタートを切り、ちぐはぐになってしまった家族のコミュニケーションを再生させようと奮闘、最終的には、家族をやり直す一つの象徴としてマイホームを手に入れる…というところで、終幕します。

 もちろんこのお話しはフィクションですが、フィクションであればこそ、現実の本質を鋭く突いているときもあります。
『フリーター、家を買う。』でも、主人公の武誠治(たけせいじ)は、家を買うため用意周到に頭金の貯金をしていましたし、父親と二世代ローンを組むという資金計画も練っていました。また、文中では詳しくは描かれないものの、チラシやネットでの物件の情報収集や、情報収集の過程においてマイホームに求める条件を自分なりに試行錯誤していったことの想像できる描写が、そこかしこにあります。

「都内は諦めて、埼玉で川越市辺りまで行くと、築十年くらいで程度のいい土地付き一戸建てがけっこう見つかるんだ。
 いくつか見にいったこともあるんだけど、駅から十五分の4LDKが二千万しなかったり。
 通勤時間は父さんも俺も少し延びるけど、一時間くらいなら父さんは今とそれほど変わらないだろ?」
 (引用:有川浩『フリーター、家を買う。』、幻冬舎[幻冬舎文庫]、2012年、P344)

 先ほども述べたように、誠治がどのように不動産情報を入手するため動き、また購入物件の検討を進めたのか小説の中で直接的に描かれていませんが、実はこの数行に、物件探しの極意が隠されています。


■「掘出し物」を見つけられたのは、
  ご都合主義でも、運でもない。

 誠治は物語の最後、物件探しに半年ほど時間をかけた結果、出物の優良物件に出会うことができました。

 不動産は大量生産品と異なり、一つ一つのもつ個性が強いため、つねに物件探しは、母集団となる物件情報リストが不完全な状態で進めねばなりません。もっとわかりやすくいえば、すべてのマイホーム購入者は否応なく、「自分にとってベストの物件が、いつ、物件情報リストに載るか分からない」状態で、物件探しを進めねばならない状況に置かれます。
 これが多くの方にとって、「不動産は、素人には難しい」と思われる一つの心理的障碍になっていることは想像に難くありません。

 今回は、『フリーター、家を買う。』の主人公・武誠治の行動を元に、誠治がどうやって理想に近い物件を手に入れることができたか、探ってみたいと思います。


□Step1.情報の収集

 不動産選びの基本は、情報集めです。たとえいま、自分にピッタリの売り物件がマーケットにあったとして、その情報が自分の手元まで届かなければ、不動産の買い手として名乗りを上げることはできません。
 誠治が本格的に就職活動を開始したとき、父・誠一に会社選びを相談するなかで、誠治は①新聞、②雑誌、③ホームページを通じて採用情報を入手していたことが読み取れます。
 また、最終的に選んだ大悦土木での初仕事の際、会社の事務所にIT機器を揃えるのに誠治は迷わず大手家電量販店へ足を運び、自分の目で、必要なパソコンやHDDのスペックを確認しています。

「誠治の社会的位置づけは自分としてはもはやフリーターだが、
 一度新卒で就職した経験があるということで『ギリギリ第二新卒』とハローワークのいけ好かない職員も言った。
 それならその位置づけが目減りしないうちに「俺は第二新卒だ」と開き直って
 一次試験で筆記を行う会社をガンガン狙っていくのも手だ。」
(引用:有川浩『フリーター、家を買う。』、幻冬舎[幻冬舎文庫]、2012年、P176)

 目的がはっきりしさえすれば、途端に行動力を発揮する誠治のことです。きっと、最終的に「これは」というマイホームを見つけるのに、片っ端から気になる不動産物件情報を集めてはクリッピングしていったに違いありません。

≪次回へ続きます≫

取材・文/TN(HN)
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